ぼくの村の話/尾瀬あきら

1992年から「コミックモーニング」に連載された「尾瀬あきら」さんの作品「ぼくの村の話」です。
「民主主義とは礼儀のことではないか?26年前――ぼくの小さな村で起こった出来事は26年かけてぼくにそのことを教えてくれた」
この言葉から物語が始まる。ぼくの村とは千葉県茂田市三野塚村のことであり、ぼくの村にいきなり成田空港建設の話が舞い込んできて百姓と機動隊、役人、国、との闘いが始まる。
「日本の発展のため、公共の福祉のために国民がある程度の犠牲を負うのはやむを得ない」
この倫理の基に用地買収、空港の建設が進められていく。
千葉県の田舎を舞台にした空港建設の話だが、「民主主義とは何か?」みたいな壮大なテーマであり、役人ってそんなに偉いのか?と憤りを感じるマンガだ。でも「じゃどうすればいい?」って聞かれたら答えられないけれど・・・そんな疑問とか矛盾を投げかけてくる切ない物語です。
それまで少年マンガを描いていた「尾瀬あきら」さんが青年マンガに進出しはじめた頃の作品で、こんな話も描けるんだって感心した。雰囲気的には「倉本聡」の「北の国から」に似ているって感じる。空港建設を舞台にした田舎の人間ドラマであり、土地を売った人や売らずにがんばった人、何も言えない学校の先生など、世の中の矛盾を描いている。絵と話がマッチしている作品です。
この頃から絵が、急激にうまくなったようで、今では少ない関東地方の田舎を見事に描ききっている。時々出てくる自然の描画が素晴らしく感動的だった。
ぼくの村の話←切ない物語です(T_T)
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