ナックル・ウォーズ/谷口ジロー
近代的な写実風のマンガといえば「大友克洋」さんが有名だが、同じ時期に似たような技法を用いた「谷口ジロー」さんも売り出し中だった。
「谷口ジロー」さんのデビューは1971年だが、1980年頃から一気にメジャーになった。デビュー時から、あの画風だったかどうかは現在調査中ですが、多分、途中から変化したものと推測しています。「大友克洋」さんよりも、いっそう写実的という印象を持ってます。「谷口ジロー」さんの絵を見てから「大友克洋」さんの絵を見ると、「大友さんはやっぱマンガだ」と感じる。「谷口ジロー」さんの絵は「小説みたい・・・」って感じる。
更に、「谷口ジロー」さんの素晴らしさは作品が多いということ。あの緻密な絵を壊さずに、ここまで長く続いているマンガ家というのは奇跡的なことです。
「ナックル・ウォーズ」は1982年~1983年に「プレイコミック」で連載されました。原作は「狩撫麻礼」さんです。
この頃の僕といえば少年マンガに熱中していた時期で、青年誌には全く興味がなかった。当然「プレイコミック」の存在にも気づかなかったんだけど、書店に並んでいる単行本で「谷口ジロー」の存在を知った。あまりにも絵が上手だったし、一目見て興味を抱かせる魅力とかオーラが絵から放出されていたのだ。
作品の内容は、才能ある無名の若者を、過去にボクシングをやってたか係わっていたオジサン達が売り出すという、良くあるボクシングマンガのパターンなんだけど、ハードボイルドというか大人の雰囲気でストーリーが進行する。スパーリングパートナーを練習で殴り殺したかと思えば、一番最後のストーリー上の到達点というべき決戦の時に、会場に向かう途中の主人公が交通事故で死んじゃうっていう、読者としては欲求不満が残る結末ですが、これをハードボイルドと感じて唸ってしまった。
「谷口ジロー」さん、最近ヨーロッパで評価されているようです。
谷口ジロー←短編が多いですね。
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コメント
私の知る最も古い作品は
「無防備都市」という刑事ものの連作です。
現在とは違っていわゆる三流劇画系
(ここで三流というのはレベルではなく種類の名称)でいくらか荒いですが、
大きく違うというほどでもありません。
80年の「事件屋家業」には池上遼一系が混ざっています。
投稿: 砂野 | 2005/04/11 18:15
あのグレードの絵をデビュー当初から維持していたってことですか?
信じられないけどスゴイ…
by taro
投稿: taro | 2005/04/11 22:18
あっ間違えました!
池上風なのは事件屋ではなく
「大都会のはらわた」という短編です。
これは無防備都市の単行本に併録されており、現在の谷口とは別人のように違います。
★ちょっと長くなるけど絵柄の成り立ちについて書きます★
大友克洋は西洋式の写実を完全に獲得してから漫画を描いた人です。池上遼一もほぼ同様で、前者が浮世絵的に白っぽく後者が陰影にこだわったのは資質の違いです。二人とも
漫画絵の師匠というものはいなくて模倣から始めてはいません。水木しげるも手順は同じで、写実的でない絵柄を目指して独自に獲得しました。彼も最初期には写真的な絵を描いています。池上の絵は魅力が大きく、真似しやすい(写実的な絵の方が真似しやすい)ので多くの亜流が生まれました。写実の基礎が無い人がこれをやると「模倣崩れ」になります。漫画は絵が全てではありませんがここでは絵に限定した話です。北斗の拳が男組の模倣崩れであることは誰でもわかるでしょう。
で、谷口ジローも池上系から始まっており、
普通は崩れてひととおり何でも描けるようになれば絵柄は固定され終点ですが、
彼の場合はこれを始点として進化しました。
必要に応じて写真を見て描き続けたと
思われます。
投稿: 砂野 | 2005/04/12 07:26
砂野さん詳しすぎです…(^_^;)
コメント…というか…解説…ありがとうございました。
漫画の絵柄をそんな見方したこと無かったんで勉強になります。
かなり的を得た意見だと思います。
by taro
投稿: taro | 2005/04/13 20:31