藤子・F・不二雄「異色短編集」/藤子・F・不二雄

ほとんどが1970年代に発表された「藤子・F・不二雄」さんの短編を集めたものですが、こちらは「ビックコミック」等の青年誌に載った作品が多く、かなりブラックな内容になっています。この時期は多数の短編は発表しており漫画家としての円熟期だったと内容から想像します。
少年誌に載った短編と差別化するためか、こちらは「異色短編集」と題されています。かなり大人向けでハッピーじゃない以外な結末とかが多い。
死んだじいさんが生き返ったらどうなるかを天国のテレビで見て、不幸になるから生き返るの止めた話、
タイムマシンで未来の自分と会議を開き自分がイヤになり自殺しちゃったら、未来の自分も消えた話、、
人口の増えすぎで年寄りを間引く話、、、
家を買いたい人が火星の土地を売って大金を得る現実的な悩みにSFを混ぜた話、、、、
人間の形をしている異星人が牛に食べられるのに疑問を持たない話、、、、
その他、、、、、、暗い話が多い、、、

一番ブラックで子供のころアニメに夢を見ていた大人を突き放すような作品は「劇画オバQ」です。
大人になった「正ちゃん」のところに「オバQ」が遊びにくるんだけど、昔のように遊べない。正ちゃんに子供が出来てオバQが「正ちゃんはもう子供じゃないってことだな…」とつぶやいて帰っていくんだけど、これってなに???
まるでオバQファンを見捨てたかのような内容でショックで受けます。「オレを見捨てないでくれ~」っていうような変な感情に襲われて気持ち悪くなった。わざと劇画調に描かれたオバQも気持ち悪いです。
この時期だと「Aさん」の「魔太郎がくる」とか「ブラック商会変奇郎」のようなブラックな作品が描かれているからワザと似た作風にしたのかと想像したりしますが(まだAとFに分かれていなかったし)、個人的には少年誌に発表されたSF短編が好きです。ハッピーエンドだけじゃないけど、夢がある爽やかな恐怖があったと感じます。
「異色短編集」だとねちっこい現実的な恐怖を感じる。
まるでそれまでの「藤子不二雄」のイメージを破壊しようとしているような、、、
藤子・F・不二雄「異色短編集」←ブラックでアダルトで現実的です。
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